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医療事故情報
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公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業
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| 報告年 | 発生曜日 | 曜日区分 | 発生時間帯 |
| 2016 | 金曜日 | 平日 | 14:00〜15:59 |
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| 医療の実施の有無 | 事故の治療の程度 | 事故の程度 |
| 実施あり | 濃厚な治療 | 死亡 |
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| 発生場所(複数回答可) | 関連診療科(複数回答可) | 患者の数 | 直前の患者の状態(複数回答可) |
手術室
| 麻酔科
循環器内科
外科
| 入院
1人
60歳代
(男性)
| 麻酔中・麻酔前後
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| 疾患名 | 心室頻拍
| 心筋虚血
| 腹部大動脈瘤
| 虚血性心疾患
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| 当事者 | 当事者職種 | 職種経験 | 当事者部署配属期間 | 直前1週間の
当直・夜勤回数 | 勤務形態 | 直前1週間
の勤務時間 | 専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格 |
| 1人
| 医師 | 21年3ヶ月 | 7年3ヶ月 | 1回 | 交替勤務なし | 72 | 心臓血管外科専門医、外科専門医 |
| 2人
| 医師 | 5年3ヶ月 | 0年3ヶ月 | 2回 | 交替勤務なし | 113 | |
| 3人
| 医師 | 1年3ヶ月 | 0年3ヶ月 | 2回 | 交替勤務なし | 104 | |
| 4人
| 医師 | 18年3ヶ月 | 3年4ヶ月 | 1回 | 交替勤務なし | 32 | 麻酔専門医・指導医、集中治療専門医 |
| 5人
| 医師 | 3年4ヶ月 | 0年4ヶ月 | 1回 | 交替勤務なし | 39 | |
| 6人
| 医師 | 19年3ヶ月 | 11年3ヶ月 | 1回 | 交替勤務なし | 50 | 日本内科学会認定医、
日本循環器学会専門医、
日本心血管インターベンション学会認定医、日本不整脈学会専門医 |
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| 特に報告を求める事例 | 発見者 |
| 本事例は選択肢には該当しない | 当事者本人 |
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| 事故調査委員会設置の有無 | 発生要因(複数回答可) |
| 既設の医療安全に関する委員会等で対応 | その他 患者の状態
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| 事例概要 |
【実施した医療行為の目的】
20年前に他院で心筋梗塞に対してCABG(LITA to LAD, RITA to OM, GEA to 4PD, vein graft to seg9)施行。その後、複数回のPCIの既往あり。腹部大動脈瘤に対しても経過観察されており、2年5ヶ月前に42mmであった腹部大動脈瘤が、造影CTで55mmにまで増大していたため当科院紹介となった。
【事故の内容】
腹部大動脈瘤自体は径5cm以上で増大傾向にあるため破裂の危険性が高いと考えられるため手術適応(年間の破裂の危険性10-20%と推測)。開腹人工血管置換術を選択した。
術前心機能評価の結果、耐術可能と判断し、入院3日後に手術予定とした。手術の術前説明は本人、配偶者に対して施行、心脳血管合併症、肺合併症などの周術期合併症の可能性は10-15%、術死率2%程度と推測されること、通常よりも合併症の可能性高いこと説明し、納得、理解された上で手術を行う方針となった。
術前麻酔科受診の結果、麻酔方法の工夫と、ICU入室管理の予定となった。手術5日前からバイアスピリン、プラビックス中止、入院後よりエパデール中止ヘパリン持続点滴開始、当日全身麻酔下に開腹人工血管置換術を施行した。手術は開腹下に動脈瘤に到達し、腎動脈上で大動脈を遮断し(腎動脈遮断時間26分)、人工血管に置換した。この間、GEAに対して血流阻害しないように留意した。十分に止血確認後に手術は終了。手術は予定通りに終了した。手術時間約4時間20分。出血量1266g。RCC 2単位、FFP 4単位、セルセーバー460ml輸血。術中の血圧変動も異常なものはなかった。麻酔はフェンタニールを多めに使用し、未覚醒の状態でICU入室の予定であり、この時点までは順調であった。しかし、突然14時20分頃からVPC出現、37分VT、VFへと移行した。 致死的不整脈出現直後より速やかに蘇生開始。しかし、蘇生に反応なく、15時20分PCPS開始。経食道心エコーで大動脈解離は否定的であったため、冠動脈のイベントと考え15時52分CAG開始。術前より指摘されていたRCA Conus branch近位部の高度狭窄病変をガイドワイヤーが通過した後よりsinus rhythmに戻り、同部位が責任病変であったと判断し、同部位へのPCIを開始。wireingも困難で、また、病変自体も石灰化高度で、手技自体は容易なものではなかった。PCI後に17時40分IABP開始し、循環動態はやや安定した(ART 80/30台)。しかし、17時頃から腹部緊満が目立つようになり、30分にはさらに増悪した。初回手術終了時は完全な止血が得られており、PCIのためのヘパリン5,000単位注射が要因と考えられた(ACT 300台)。腹部緊満および出血傾向はその後も続いたため、18時5分、再開腹。吻合部の針穴、動脈瘤壁、剥離面などからwoozingを生じていた。そのために後腹膜に血腫形成しており、コンパートメント症候群の状態であった。また、腸管内にも粘膜出血と思われる所見を認め、DICを呈していた。吻合部は追加縫合、それ以外は圧迫による止血を行い、いったんは止血可能な様相を呈したが、結局、コントロール不可能であった。ステントグラフトを内挿することを試みようと、いったんIABPを中断したところ、すぐにVFとなりIABP中断は不可能な状態と判断した。ガーゼパッキングの状態で21時6分手術終了し、ICUへ。その後は輸血を全開でないと血圧維持できない状態であった。DNRの方針となり、家族が見守る中、死亡確認。死因は急性心筋梗塞。影響を与えた因子として腹部大動脈瘤。剖検は希望されなかった。
【事故の背景要因の概要】
ICUに移動する直前に不整脈が起こって心臓が停止した。心筋梗塞、大動脈解離などが考えらるが、大動脈解離は否定的。心筋梗塞の既往があり、冠動脈バイパスやカテーテル治療の既往があるため、元々心臓が弱く、心臓に何かが起こった可能性が高い。
【改善策】
担当診療科間でカンファレンスを開催し、以下の結論となった。
1.術前PCIに関しては、本症例は一般的ではなく、結論は出せない。
2.術前、術中の他の処置や対応には問題なかったため、抗凝固療法を行なう際には必ず凝固能のチェック(ACT)を行ない確認する。
3.EF(左室駆出率)30%前後の症例では原則的に開腹による切除再建術は行なわないようにする。
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