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医療事故情報
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公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業
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| 報告年 | 発生曜日 | 曜日区分 | 発生時間帯 |
| 2013 | 金曜日 | 平日 | 14:00〜15:59 |
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| 医療の実施の有無 | 事故の治療の程度 | 事故の程度 |
| 実施あり | 濃厚な治療 | 死亡 |
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| 事故の概要 | 発生場面 |
事故の内容
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| 治療・処置 | 実施 | その他の治療・処置の実施に関する内容 カテーテル留置中,シースを挿入し内筒を引き抜いた際,外筒から空気が血管内に入った。 |
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| 発生場所(複数回答可) | 関連診療科(複数回答可) | 患者の数 | 直前の患者の状態(複数回答可) |
手術室
| 心臓血管外科
| 入院
1人
80歳代
(女性)
| 麻酔中・麻酔前後
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| 当事者 | 当事者職種 | 職種経験 | 当事者部署配属期間 | 直前1週間の
当直・夜勤回数 | 勤務形態 | 直前1週間
の勤務時間 | 専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格 |
| 1人
| 医師 | 4年7ヶ月 | 1年4ヶ月 | 2回 | 交替勤務なし | 43 | なし |
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| 特に報告を求める事例 | 発見者 | 治療・処置の種類 |
| 本事例は選択肢には該当しない | 当事者本人 | その他の一般的処置 ブラッドアクセスカテーテル留置中 |
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医療材料・諸物品等1 |
【販売名】 該当なし
【製造販売業者】 該当なし
【購入年月】 該当なし
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| 事故調査委員会設置の有無 | 発生要因(複数回答可) |
| 外部調査委員会設置(予定も含む) | 技術・手技が未熟だった
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| 事例概要 |
【実施した医療行為の目的】
末期腎不全のため1年半前より血液透析治療を受け,4ヶ月前に右上腕に内シャントを造設。1ヶ月前にシャント部に感染を認め,シャント静脈瘤ができたということで本院に紹介。シャント静脈瘤の切除と内シャントの結紮閉鎖を行った。新たに血液透析のためのシャント造設が必要であったが適切な静脈がなく,人工血管を用いた内シャント造設も血流感染後ということでためらわれ,長期留置型クイントンカテーテルの留置とした。
【事故の内容】
慢性腎不全,糖尿病,感染性シャント瘤等の既往がある患者で,本院でも複数の診療科に入退院を,繰り返している患者である。右内頚より,長期留置型透析用カテーテル留置中にシースを挿入し,内筒を引き抜いた際,外筒から血管内に空気が入った。このため,意識レベルの低下,脈拍・血圧の低下を認めた。昇圧剤を使用したが反応せず,さらに心拍数が低下したため心臓マッサージを施行した結果,直ぐに脈拍は再開したが,徐脈持続のため大腿よりペースメーカーを留置し,動脈ラインを確保した。心臓マッサージの時間は,約40秒であった。心エコーで確認したところ上大静脈,左心室に空気があり,空気塞栓を疑った。呼吸・循環動態とも落ち着いたため,ICUへ入室した。CTで肺内にAVシャントを疑わせる所見があり,体循環への空気の流入が原因と考えられた。脳に空気塞栓を起こしたため意識レベルが低下し,また,冠動脈に空気が入り脈拍・血圧が低下した可能性がある。意識レベル改善のため,高圧酸素治療を施行したが,意識レベルの改善はみられなかった。家族も積極的な治療を望まれず5日後に亡くなられた。家族の了承のもと行われた剖検で,肺動静脈奇形による肺動静脈瘻の存在が確認された。
【事故の背景要因の概要】
カテーテル留置中,シースを挿入し内筒を引き抜いた際に外筒から空気が血管内に入った。透析後であり,静脈内に空気を引き込みやすい状態でもあった。当該診療科で通常使用しているシースは逆流防止弁のある種類であり,このタイプのシースを使用することは稀で,主治医が使用するのは初めてであった。主治医はステントグラフト指導医の資格を有する指導医の指導の下でこの手技を実施していた。カテーテル留置の際に静脈から空気が血管内に入り脈拍・血圧が低下した可能性がある。脳に空気塞栓を起こしたために意識が悪くなり,また,心臓の血管内に空気が入り脈拍・血圧が低下した可能性がある。心臓等に動静脈瘻が存在すれば,全身に空気が飛ぶ可能性がある。意識レベル改善のため,高圧酸素治療を施行したが意識レベルの改善はみられなかった。
【改善策】
・合併症の説明を患者・家族に詳細に行う。
・カテーテル挿入時の手順の確認を行う。
・処置前に全身状態の評価を行い,適応かどうかを検討する。
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