医療事故情報

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業

事例IDAE4E49DA21F4DFCDA
報告年発生曜日曜日区分発生時間帯
2019水曜日平日12:00〜13:59
医療の実施の有無事故の治療の程度事故の程度
実施あり濃厚な治療死亡
事故の概要発生場面 事故の内容
治療・処置管理治療・処置の管理
発生場所(複数回答可)関連診療科(複数回答可)患者の数直前の患者の状態(複数回答可)
カテーテル検査室
循環器内科
入院
1人
70歳代 (男性)
薬剤の影響下
疾患名閉塞性動脈硬化症
当事者当事者職種職種経験当事者部署配属期間直前1週間の
当直・夜勤回数
勤務形態直前1週間
の勤務時間
専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格
1人 医師13年7ヶ月10年7ヶ月不明交替勤務なし40認定内科医、CVIT認定医
特に報告を求める事例発見者治療・処置の種類
本事例は選択肢には該当しない同職種者IVR(血管カテーテル治療等)
当事者以外の関連職種(複数回答可)
医師
医療材料・諸物品等1
【販売名】 ノバスタンIH注
【製造販売業者】 田辺三菱
【購入年月】 2019/10
事故調査委員会設置の有無発生要因(複数回答可)
外部調査委員会設置(予定も含む)連携ができていなかった
患者への説明が不十分であった(怠った)
判断を誤った
知識が不足していた
医薬品
教育・訓練
ルールの不備
事例概要
【実施した医療行為の目的】
PCI施行中の急変、その後の脳梗塞発症。
【事故の内容】
70歳代男性。5ヶ月前、左浅大腿動脈閉塞に対するカテーテル治療時にヘパリンを使用、3日後に血小板減少を認め、HITが疑われた。4ヶ月前に2回経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行。HIT抗体は陰性ではあったが、HITの可能性は否定できず、ヘパリンは使用できないと判断し、代替としてアルガトロバンを使用した。アルガトロバンは、添付文書で持続投与することが明記されているが、本事例では、ACT値を測定しながら静注ワンショットにて投与を行った。2回目のPCI施行中に血栓が生じたため冠動脈血流が急激に途絶えて心停止となった。蘇生後は集中治療センターにて重症集中管理が行われたが、翌日に塞栓性の脳梗塞をきたし、低酸素脳症となった。急性期を脱したため3ヶ月前に気管切開、経管栄養管理の状態で一般病棟へ転棟となった。感染コントロール、肺炎の治療を行いながら経過したが、経管栄養投与による嘔吐も繰り返している状況であった。前日、深夜帯で嘔吐を繰り返しており、本日5時50分にSpO2測定不能となり、当直医へ診療を依頼し、看護師が心電図モニターを装着した。血液ガスでアシドーシスを認めたが、換気に問題はなかったため当直医師指示でモニターを外した。8時10分の時点ではセントラルモニターにてSpO2 92〜93%を確認していたが、8時55分日勤看護師訪室時に心停止しているのを発見した。心肺蘇生法開始したが、その後死亡確認となった。
【事故の背景要因の概要】
外部調査委員を交えた事故調査委員会において、1.アルガトロバンの効果が十分でなかった時間があり、間歇静注の使用方法は十分了解可能な範囲だが、添付文書に記載されている持続静注が望ましいこと、2.PCI施行時のICについて、本患者は複合的な疾患があり、ハイリスク患者としてより詳細な説明が必要であった点、患者・家族の理解が不十分であった可能性について指摘があった。事故調査委員会報告書は6ヶ月後に完成、その後遺族に説明を行った。
【改善策】
1.アルガトロバンの用法(持続投与)について院内周知を行った。アンギオ室の常備薬カート内に配置されたアルガトロバン注に用法用量をわかりやすく明記して、注意喚起を行った。また、診療科としてアンギオ室内にアルガトロバンの使用方法を掲示し、医師・看護師間で共有を行った。
2.検査・治療時には、患者個人のリスクに合わせた説明を行うことの必要性について各診療科を通して院内周知を行った。