医療事故情報

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業

事例IDAD7081D19F00347E6
報告年発生曜日曜日区分発生時間帯
2021土曜日休日・祝日22:00〜23:59
医療の実施の有無事故の治療の程度事故の程度
実施あり濃厚な治療死亡
事故の概要発生場面 事故の内容
治療・処置その他の治療・処置に関する場面 モニター外れ VAECMO送脱血管誤接続その他の治療・処置の実施に関する内容 モニター外れ VAECMO送脱血管誤接続
発生場所(複数回答可)関連診療科(複数回答可)患者の数直前の患者の状態(複数回答可)
救急外来
その他 心内集中治療科
入院
1人
80歳代 (男性)
意識障害
疾患名無症候性心筋虚血
脳梗塞
心房細動
弓部大動脈置換術後
当事者当事者職種職種経験当事者部署配属期間直前1週間の
当直・夜勤回数
勤務形態直前1週間
の勤務時間
専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格
1人 医師10年0ヶ月3年0ヶ月0回その他 当直制40
特に報告を求める事例発見者治療・処置の種類
本事例は選択肢には該当しない他職種者その他の手術 カテーテル検査・治療
当事者以外の関連職種(複数回答可)
看護師
臨床工学技士
医療材料・諸物品等1
【販売名】 ECMO送脱血管
【製造販売業者】 該当なし
【購入年月】 該当なし
事故調査委員会設置の有無発生要因(複数回答可)
その他 幹部・関係職種・関係部門を含めた院内事例検討会を開催観察を怠った
勤務状況が繁忙だった
事例概要
【実施した医療行為の目的】
1.発見時CPA→心肺蘇生。
2.1.の原因検索のため、緊急カテーテル。
【事故の内容】
1.19時過ぎ頃自宅で意識消失あり約1分ほど家族が心臓マッサージし、救急要請。20:07、当院搬入。来院時JCS1、GCSE4V5M6、会話可能であった。来院時に明らかな心電図変化認めず。エコー上EF15%。20:37、採血実施。集中治療室はすでに満床。検査結果をみて入院病棟を決定することとした。21:13、尿意訴えたため床上排泄介助。救急外来看護師はモニターHR70台(AF、PVCあり)であることを確認。21:50、当該患者より、「トイレに行きたい」と訴えあり、床上排泄の必要性を説明し介助。22:08、当直師長がERを訪室した際、当該患者のモニターが外れており、みると心肺停止状態となっていた。すぐにCPR開始、Dr.ハートコール。22:24、ROSC。モニターリコールすると、21:17〜モニターが外れていたことが発覚。
2.ROSC後、22:25、カテ室入室。血圧は60台と微弱であり、PCPSの方針となった。22:43、右大腿静脈脱血管・22:46、左大腿動脈送血管挿入。22:50、PCPS駆動開始(2/75リットル)。血圧は100/20まで上昇した。PCPS駆動5から10分後、静脈脱血側の色が通常より赤いことに気づき、臨床工学技士が医師に報告。透視下にて脱血管が右心房、送血管が左大腿動脈に挿入されていることを確認。また、送血・脱血回路側枝より採血実施。23:08、CAG施行、LMT閉塞。徐々に血圧低下。右大腿動脈からIABP挿入。挿入後バルーンの先端圧が13/8(14)。確認すると送脱血管の接続が反対になっていた。23:52、回路を通常の接続へ変更。その後、血圧の上昇がみられ、左橈骨動脈アプローチからPCIへ移行するも左鎖骨下動脈で閉塞しており、右橈骨動脈アプローチから再造影すると血栓は改善し、TIMI3となっていた。PCI施行し、翌2:56、カテ室退室、集中治療室へ帰室。
【事故の背景要因の概要】
・当日の16時から23時30分までの間、ER来院患者(救急搬送・自己で来院)8名。当該患者滞在中、3名の患者の重なりあり。
・ERで当該患者対応中、21:39ショック患者搬入。ER医師・看護師がその患者の対応にあたった。その間、セントラルモニターの観察ができなかった。
・集中治療室が常に満床の状況であり、結果的に当該患者のER滞在時間が約2時間(カテ室入室まで)。
・ERの構造:初療室と初療室の間が壁(感染管理・プライバシー保護面など)となっており、入り込んでしまうと隣の様子が把握しにくい。
・セントラルモニターの画面確認は、スタッフステーションのカウンターまでいかないと、初療室内からは確認できない。
【改善策】
・ER滞在時間が長時間とならないよう、効率的なベッドコントロール調整において、当直医師・当直師長・ER看護師間での情報共有を行う(救急患者来院時は当直師長へ情報提供する、当直師長は可能な限り、ERの状況を確認する、当直医師とのベッド調整など)。
・当直医師の業務負担(複数の患者対応を余儀なく行うなどの状況)とならないよう、当直医師間での連携、報告・相談を密に行う。
・患者の状況に応じ、必要時は感染防止策について説明、実施した上で、家族(1名に限る)、家族に付き添ってもらう。協力を得る。
・生体モニタリングデーターと電子カルテとの連動を検討
・PCPS確立:通常、送脱血管を接続する際は、タイムアウト(声を出して、複数で)するようにいているが、必ず一旦手を止めて複数(医師・臨床工学技士・看護師ら)で、医師がリーダーシップを図り、タイムアウトにより送血回路・脱血回路が正しく接続できているかを確認する。
・カテチーム間(医師・看護師・技師・技士)の良好なコミュニケーションを図る(報・連・相)。
・first judgeの重要性(当該患者の場合、自宅で突然の意識消失、家族が心臓マッサージ)を認識し、診断・治療にあたる。