医療事故情報

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業

事例IDACFE295D7CCAA90CB
報告年発生曜日曜日区分発生時間帯
2021火曜日平日10:00〜11:59
医療の実施の有無事故の治療の程度事故の程度
実施あり濃厚な治療障害残存の可能性なし
事故の概要発生場面 事故の内容
ドレーン・チューブ使用中その他のドレーン・チューブ類の使用に関する内容 誤挿入
発生場所(複数回答可)関連診療科(複数回答可)患者の数直前の患者の状態(複数回答可)
病室
小児科
入院
1人
20歳代 (男性)
その他特記する心身状態あり 重心
疾患名亜急性硬化性全脳炎
当事者当事者職種職種経験当事者部署配属期間直前1週間の
当直・夜勤回数
勤務形態直前1週間
の勤務時間
専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格
1人 看護師2年10ヶ月2年10ヶ月1回3交替40
特に報告を求める事例発見者ドレーン・チューブの種類
本事例は選択肢には該当しない当事者本人尿道カテーテル
当事者以外の関連職種(複数回答可)

医療材料・諸物品等1
【販売名】 バードICシルバーフォーリートレイ
【製造販売業者】 メディコン
【購入年月】 2021年2月
事故調査委員会設置の有無発生要因(複数回答可)
既設の医療安全に関する委員会等で対応確認を怠った
観察を怠った
報告が遅れた(怠った)
連携ができていなかった
判断を誤った
知識が不足していた
技術・手技が未熟だった
事例概要
【実施した医療行為の目的】
亜急性硬化性全脳炎にて、自排尿がなく、膀胱留置カテーテルを挿入し尿の性状や量を観察している。定期の交換日。
【事故の内容】
入浴前後に抜去、挿入を実施した。膀胱留置カテーテルを20cm程挿入したが、抵抗はなかった。バルーン内に滅菌水を留置しようとしたときにカテーテルが押し戻される感覚があったが、十分挿入されたと思った。尿の流出が見られなかったが、以前も流出がなかったことがあったと聞き、そのままバルーン内に滅菌水を注入した。滅菌水を注入するときも抵抗なくスムーズであった。その後カテーテルをテープで固定したが、尿の流出は確認できていない。14時、ウロバック内に50mlほどの潜血とランニングチューブ内に少量の尿を確認した。16時過ぎ、ミキシングを実施しても尿量の増加見られないため、医師へ報告し、抜去の指示があり膀胱留置カテーテルを抜去した。コアグラとともに潜血が100mlほど流出した。その後、亀頭部からじわじわと出血しているため、泌尿器科受診となる。造影検査の結果、尿道裂傷と診断されて、膀胱留置カテーテルを挿入し、1ヶ月はそのままで様子観察となった。
【事故の背景要因の概要】
・膀胱留置カテーテルを定期的に交換していた。
・カテーテル挿入時に20cm程挿入しているが、尿の流出が確認されていない。
・以前にも尿の流出が確認されない状態で、バルーン内に滅菌水を注入していたことがあったため、注入してよいと判断した。
・尿の流出がないまま、カテーテルをテープ固定し様子観察をしていた。
・14時に潜血がみられたが、報告せずに様子観察していた。
・挿入し、6時間経過し、尿量の増加なく医師へ報告した。
・報告時の判断が遅かった。
【改善策】
・男性のカテーテル挿入は、分岐部付近まで挿入する。
・看護手順にある、尿の流出を確認してから、バルーン内に滅菌水の注入とカテーテルの固定を実施する。
・当院の看護手順には、挿入時に22・23cm程度挿入するとあるが分岐部付近までの挿入を追加し、スタッフへ周知を図る。
・尿の性状や量など、異常と思った時には早めに他のスタッフへ相談し、報告をしていく。