医療事故情報

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業

事例IDAC149C45FE0E37EA2
報告年発生曜日曜日区分発生時間帯
2018金曜日平日14:00〜15:59
医療の実施の有無事故の治療の程度事故の程度
実施あり不明障害残存の可能性がある(高い)
事故の概要発生場面 事故の内容
治療・処置その他の指示に関する場面 肺生検その他の治療・処置の指示に関する内容 肺出血
発生場所(複数回答可)関連診療科(複数回答可)患者の数直前の患者の状態(複数回答可)
検査室
呼吸器外科
入院
1人
70歳代 (女性)
意識障害
認知症・健忘
歩行障害
疾患名進行肺癌
閉塞性動脈硬化症
当事者当事者職種職種経験当事者部署配属期間直前1週間の
当直・夜勤回数
勤務形態直前1週間
の勤務時間
専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格
1人 医師14年8ヶ月14年8ヶ月不明 なしその他 なし不明
特に報告を求める事例発見者治療・処置の種類
本事例は選択肢には該当しない当事者本人その他の手術 気管支鏡検査
当事者以外の関連職種(複数回答可)
医師
医療材料・諸物品等1
【販売名】 なし
【製造販売業者】 なし
【購入年月】 なし
事故調査委員会設置の有無発生要因(複数回答可)
既設の医療安全に関する委員会等で対応その他 肺癌の診断だけではなく遺伝子診断のために複数個のTBLB検体が必要であった
事例概要
【実施した医療行為の目的】
詳細は事故の内容へ
【事故の内容】
検査は内視鏡専門や指導医をもつ4人の呼吸器外科医が立ち会っていた。27日にBFSでTBNA(#4Rの生検)とTBLB(右上葉肺腫瘍の生検)を行った。挿管し検査した。コンベックス/TBNA <生検3回>が終わり、肺癌の診断を得たが、組織があまり採れず、ラジアルガイドシース下にQ290でTBLBを行った。途中で術者変更したが、当事者は助手をしていた。TBLBを6回施行したが、最後の1回で多めの肺出血があり、気管支鏡で出血源であるRt.B2aの内腔をWedgeした。透視で出血が遷延したため、右側臥位、止血剤の投薬、ボスミン・トロンビン散布し止血を得た。病棟帰室後にもトランサミンの投薬を行った。肺胞出血から肺炎をきたす可能性があったため、27〜31日までメロペンの投薬を行った。30日に出血が再燃したため、病棟でBFSを施行しボスミンを散布、止血剤(アドナ:50mg、トランサミン:2g)の点滴を行った。その後、アドナ:60mg/日、トランサミン:500mg/日を服薬していた。出血・血痰は消退(翌々日以降は消失)し、レントゲン画像も改善したが、BFS後もBT:38度前後の腫瘍熱と食欲低下(5割以下の摂取)は遷延していた。体重は31.3kg→30.0kgに低下していた。閉塞性動脈硬化症のため検査前に服薬していたアンプラーグ・プレタールは、検査後再開していなかった。また、心電図ではSinous rythmであった。翌月4日、貧血の進行(検査前<26日>Hb:8.3、Hct:27.0、MCV:85.2 → 検査後<4日>Hb:7.6、Hct:24.8、MCV:85.2)のために濃厚赤血球2U輸血した。5日の日中、病室で座っていた際にふらついて頭部打撲したと看護師から報告あり。頭部CTで右大脳半球に低吸収域が出現。脳梗塞の診断に至った。
【事故の背景要因の概要】
進行肺癌の診断はEBUS TBNAでN2の証明(StageIII A以降)はできたが、手術適応はなく、肺腺癌の迅速診断で標的分子治療薬や免疫チェックポイント阻害薬の適応かどうか、腫瘍検体の遺伝子診断を行う必要があり、複数個のTBLB検体が必要であった。
【改善策】
肺生検後出血の発生率は0.66%、肺炎の発生率は0.2%といわれている。その他の合併症を含む死亡率は0.004%と言われている。今回、生検後の出血に備え、予め挿管していたために、止血操作が容易にできた。しかし、肺癌の検体が得られず、TBLBを複数回行ったため、出血した可能性がある。→ 生検は検体が採れるまでというより、ある程度の回数で見切りをつけるのも手かもしれない。また、ガイドシースを留置しTBLBをしていたが、最後の1回のみガイドシースがよれて使用できなくなったために、そのまま生検をおこなった。→ガイドシースの留置なしでの生検は危険であり、ガイドシースの使用の徹底が必要と感じた。連休中で肺出血が治まっている状況下でも止血剤の投薬が行われていた。→可及的速やかに抗血小板薬の投薬を検討すべきだった。