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医療事故情報
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公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業
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| 報告年 | 発生曜日 | 曜日区分 | 発生時間帯 |
| 2018 | 日曜日 | 休日・祝日 | 12:00〜13:59 |
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| 医療の実施の有無 | 事故の治療の程度 | 事故の程度 |
| 実施あり | 濃厚な治療 | 不明 主疾患の悪化により死亡 |
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| 事故の概要 | 発生場面 |
事故の内容
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| 薬剤 | 静脈注射 | 過剰投与 |
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| 発生場所(複数回答可) | 関連診療科(複数回答可) | 患者の数 | 直前の患者の状態(複数回答可) |
病室
| その他 血液内科
| 入院
1人
40歳代
(男性)
| 床上安静
その他特記する心身状態あり 緩和ケアにて疼痛コントロール中
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| 当事者 | 当事者職種 | 職種経験 | 当事者部署配属期間 | 直前1週間の
当直・夜勤回数 | 勤務形態 | 直前1週間
の勤務時間 | 専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格 |
| 1人
| 医師 | 9年0ヶ月 | 1年0ヶ月 | 0回 | 交替勤務なし | 54 | |
| 2人
| 看護師 | 6年0ヶ月 | 6年0ヶ月 | 1回 | 2交替 | 32 | |
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| 特に報告を求める事例 | 発見者 | 薬剤・製剤の種類 |
| 本事例は選択肢には該当しない | 当事者本人 | 麻薬 |
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関連医薬品1 |
【販売名】 オキファスト注50mg
【製造販売業者】 塩野義
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| 事故調査委員会設置の有無 | 発生要因(複数回答可) |
| 既設の医療安全に関する委員会等で対応 | 確認を怠った
判断を誤った
知識が不足していた
コンピュータシステム
医薬品
教育・訓練
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| 事例概要 |
【実施した医療行為の目的】
約2年前に悪性リンパ腫を発症し、当院にて治療を開始。約8ヶ月前に臍帯血移植を施行し生着したが、移植後GVHDや難治性の合併症を認め長期療養中だった。約1ヶ月前から緩和ケアチームが介入し、精神的苦痛に対して内服薬の調整を行っていた。9時46分、患者は全身状態が悪化し、腹痛、背部痛の増強を訴えたため、看護師は主治医へ報告し、麻薬の持続注射を開始した。
【事故の内容】
主治医は、緩和目的でオキファスト(50mg/5mL)10mL+生食注(50mL)40mL 総量50mLを流量25mL/hで処方を電子カルテに入力した。看護師は指示内容を見て、流量の多さを主治医に確認したところ、主治医が処方間違いに気がついた。主治医は、10mg/日のつもりで0.2mL/hで開始し、その後疼痛の程度により流量を増量していくつもりだった。しかし、初期投与流量の計算を間違い、看護師に流量を2mL/hで投与するよう指示した。看護師はミキシングの際に、指示とオキファストの照合時に指差し声だし確認することを怠っており、オキファスト100mgを10mgと思い込んでいた。10時45分、中心静脈カテーテルからオキファストを2mL/hで投与開始し、生体モニター装着下にて観察を行っていた。11時45分、患者は傾眠傾向で声かけに反応あり。苦痛様表情はなくなった。23時50分、患者は口呼吸となりSpO2が88%に低下したため、酸素カニューレ2Lからマスク2Lへ変更したところ、SpO2は97%に改善した。翌日2時、痰貯留あり、吸引施行し多量に痰を吸引したが、施行途中からSpO2が40〜50%へ低下し、呼吸が下顎呼吸となった。管理当直医(同診療科医師)に報告した。2時15分、看護師はバッグバルブマスクにて換気を開始。血圧70/60mmHg 、HR60回/分。管理当直医が来棟し、看護師と交代して補助換気を実施。主治医、家族へ連絡した。2時32分、血圧103/59mmHg、HR76、酸素化改善。2時45分に自発呼吸あり、補助換気を中止し、リザーバーマスク10Lへ変更。吸引するとチューブを噛む様子あり。2時50分に主治医来棟。4時に主治医が家族へIC施行。全身状態の悪化、もしくは薬剤による呼吸抑制の可能性があることを説明した。オキファスト持続注射を中止し、看取りの方針となった。9時、緩和ケアチームミーティングあり、患者に投与中のオキファストの過量投与が判明し、主治医へ報告。9時30分にナロキソン0.2mg1A静脈注射施行。呼吸回数24〜26回/分へ増加。酸素化良好のため、酸素8Lへ減量した。12時30分に再び下顎呼吸、呼吸回数20回/分、JCS200。酸素4Lへ減量。16時05分、SpO2が80%と低下あり、再び酸素10Lへ増量した。22時20分、呼吸状態徐々に悪化し、家族見守りの中死亡した。
【事故の背景要因の概要】
1.主治医はこれまでの経験では、麻薬の投与方法は皮下注射することが多く、静脈注射の処方オーダに不慣れだった。
2.主治医が麻薬をオーダする際に、初期量の計算を間違って流量0.2mL/hのところ投与時間2時間と入力し、流量25mL/hとなっていた。また入力後にオーダ内容の確認を怠った。
3.休日で日直の薬剤師は、患者が初回麻薬投与であること、過量投与になっていることに気づけなかった。
4.医師は、10mg/日で開始するつもりで流量0.2mL/hと指示するところ、2mL/hと指示した。
5.看護師は、オキファストの初期量は10mg/hと知識があり、医師が出した最初の指示の流量間違いには気がついたが、オキファスト100mgを10mgだと思い込んでおり、流量2.0mL/hの指示は妥当だと認識していた。
【改善策】
1.麻薬の希釈方法や投与方法について、院内で基準化する。
2.医師は薬剤をオーダした後に、処方内容に間違いがないか再度確認する。
3.薬剤師は麻薬払い出し時に、初回投与かどうかを把握し、投与量を確認する。
4.看護師は、麻薬投与方法について学習し、薬剤投与指示確認は、薬剤を指差し声だしで確実に照合する。
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