医療事故情報

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業

事例IDA93CDF053F17D576D
報告年発生曜日曜日区分発生時間帯
2023月曜日平日12:00〜13:59
医療の実施の有無事故の治療の程度事故の程度
実施あり濃厚な治療障害なし
事故の概要発生場面 事故の内容
ドレーン・チューブ管理その他のドレーン・チューブ類の管理に関する内容 尿道損傷
発生場所(複数回答可)関連診療科(複数回答可)患者の数直前の患者の状態(複数回答可)
病室
脳神経外科
入院
1人
50歳代 (男性)
疾患名未破裂脳動脈瘤
当事者当事者職種職種経験当事者部署配属期間直前1週間の
当直・夜勤回数
勤務形態直前1週間
の勤務時間
専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格
1人 看護師10年8ヶ月3年1ヶ月1回2交替38
特に報告を求める事例発見者ドレーン・チューブの種類
本事例は選択肢には該当しない当事者本人尿道カテーテル
当事者以外の関連職種(複数回答可)

医療材料・諸物品等1
【販売名】 バードI.C.フォーリートレイB
【製造販売業者】 株式会社メディコン
【購入年月】 不明
事故調査委員会設置の有無発生要因(複数回答可)
既設の医療安全に関する委員会等で対応確認を怠った
判断を誤った
技術・手技が未熟だった
勤務状況が繁忙だった
通常とは異なる身体的条件下にあった
諸物品
事例概要
【実施した医療行為の目的】
排尿管理
【事故の内容】
13時30分頃、脳血管造影検査のため膀胱内留置カテーテル12Frを留置した。挿入時の疼痛は軽度あったが、挿入中はカテーテルの抵抗はほとんどなくカテーテルを最後まで挿入したが尿流出はなかった。直前に排尿したと患者から発言があったことから、尿流出を確認しないまま、カテーテルの側管より蒸留水を緩徐に10mL注入しバルーンを拡張させた。蒸留水注入中も疼痛増悪はなかった。最後まで蒸留水を入れきった時点で血尿があり、主治医へ報告し診察があった。抗凝固剤(バイアスピリン、エフィエント)内服中であり経過観察指示があった。15時30分、尿流出ないため再度主治医に報告し、泌尿器科へコンサルトされた。超音波検査にて膀胱内にカテーテル留置されていないことが確認され、尿道内でのバルーン拡張による尿道損傷が発覚した。泌尿器科医師にてカテーテル抜去し、出血と凝固血の排出あり。泌尿器科医師にて膀胱内留置カテーテル12Fr再留置された。血管造影検査は延期となり、1泊2日入院予定であったが、入院期間が延長となった。
【事故の背景要因の概要】
・膀胱内留置カテーテル挿入時、尿流出を確認しないまま、蒸留水を注入しバルーンをふくらませてしまった。
【改善策】
・膀胱内留置カテーテル挿入時、尿流出がすぐにない場合は、膀胱を圧迫しても流出がないか確認する。
・尿流出が確認されない場合には、バルーンを拡張させない。
・今回、看護師経験10年の中堅看護師が実施している。また3年前にも当該部署では、同様のインシデントが有り、部署内で勉強会を実施したが、今回の事故につながった。再度手順書を元に基本技術の習得のため、シミュレーターを用いて全員に振り返りと技術確認を行うこととした。