医療事故情報

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業

事例IDA92608E5AE788459B
報告年発生曜日曜日区分発生時間帯
2016水曜日平日10:00〜11:59
医療の実施の有無事故の治療の程度事故の程度
実施あり治療なし障害残存の可能性なし
事故の概要発生場面 事故の内容
薬剤静脈注射投与方法間違い
発生場所(複数回答可)関連診療科(複数回答可)患者の数直前の患者の状態(複数回答可)
病室
歯科口腔外科
入院
1人
50歳代 (男性)
疾患名辺縁性歯周炎
Kasabach-Merritt症候群
当事者当事者職種職種経験当事者部署配属期間直前1週間の
当直・夜勤回数
勤務形態直前1週間
の勤務時間
専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格
1人 看護師1年0ヶ月1年0ヶ月1回2交替42
特に報告を求める事例発見者薬剤・製剤の種類
本事例は選択肢には該当しない当事者本人その他 血漿分画製剤(生理的組織接着剤)
当事者以外の関連職種(複数回答可)
医師
看護師
関連医薬品1
【販売名】 ベリプラストPコンビセット組織接着用0.5mL
【製造販売業者】 CLSベーリング株式会社
事故調査委員会設置の有無発生要因(複数回答可)
既設の医療安全に関する委員会等で対応確認を怠った
判断を誤った
知識が不足していた
技術・手技が未熟だった
その他 新人看護師の指導がついており、その期待に応えなければいけないと頑張ろうとした気持ちとプレッシャーがあった
事例概要
【実施した医療行為の目的】
出血部位の止血術
【事故の内容】
抜歯術施行。翌日、出血あり止血術施行しているが、持続的に出血認めていた。
抜歯2日目、凍結血漿投与、ベリプラスト塗布予定であった。看護師は、両方とも静脈内投与と思い込み実施した。ベリプラストを0.8mL注入直後よりルート内が閉塞し生食にてシリンジの押し引きを行うが押し子が動かず、他の看護師に相談し医師に報告、投与方法の間違いが発覚した。すぐにルート抜去、その際凝固物を回収した。抜針部の発赤・疼痛・腫脹・硬結なし、心電図モニター装着しバイタル測定するが著変なし、重症部屋に転室し全身管理行う。その後もバイタル安定され、午後からは本来の止血術も実施された。
【事故の背景要因の概要】
・ベリプラストは、医師が電子カルテより患者個人のオーダを行う。基本使用日までにオーダするが、場合によっては当日オーダされることもある。
・処方〜病棟に届くまでの流れは次の通り。
1. 処方後使用当日の勤務帯で、看護師もしくは看護助手が輸血部に受け取りに行く。
2. 受取者の確認をバーコードリーダーで確認されます。(名札にバーコードが付いています)
3. 払い出されるベリプラストをバーコードリーダーで認証され、払い出しを確定される。
・医師はペリブラストを輸血部にオーダーした後、製剤を病棟で使用するので輸血部から運んできて病棟に上げるよう看護師に依頼する際、担当看護師を捜したが見当たらず、病棟の朝処置中で時間も無かったのでリーダー看護師に担当看護師に伝達してもらうよう伝えた。その際、使用方法の詳細な内容は指示していなかった。
・担当看護師は、当日指示受けをしたリーダー看護師から、医師からの口頭指示で「ペリブラストを使用すること」、「届き次第すぐに使用すること」を聞いた。リーダー看護師とベリプラストのダブルチェック施行し、リーダー看護師により実施認証も済んでおり、担当看護師は、急いで投与しなければいけない薬剤だと解釈した。また、輸血部より血液製剤と同時に払い出しされたため静脈注射と思い込んだ。 
・ベリプラストの箱には「禁注射」と赤字で表記されているが、目に入らなかった。
・ベリプラストの使用経験がなかったが、他の看護師に報告・連絡・相談することなく、使用方法説明書(溶解の手順)を見て作成し使用した。リーダー看護師が他患者の対応があり、その後は自分一人で行なわなければいけない状況になり、主治医に直接使用方法を確認することなく処置を自身で実施した。
・ベリプラストの先端がシュアプラグに接続可能な形状であった。
・7年前、ベリプラストは、薬剤部から輸血部に管理部門の変更があった。経緯としては次の通り。
1. 輸血部の管理システムでは、院内在庫の把握・個々の製剤の履歴や投与記録の把握が出来るなどの理由から、輸血部管理となった。
2. 分画製剤などの特定生物由来製剤は、投与記録を20年間保存する必要があり、輸血部ではシステムとして可能であった。
3. 15年前当時、全国的に見て県内のアルブミン使用量が多く、その後、厚労省の指導があった。当院として、アルブミン使用量削減の工夫が必要となり、輸血部での管理(介入)を行い、使用量の削減に効果があったため、他の分画製剤やベリプラストも含め輸血部管理の方針になった。
・看護部の教育支援室が行っている新人教育計画では、静脈注射の講義やOJTでの注射薬や内服薬の与薬に関連する部分で、「知らない薬剤については、必ず事前に調べておくこと、電子カルテ内のDI検索を活用してください」と常にアナウンスしている。
・指示簿へは、「医師が使用します」や「処置で使用」「病棟で使用」等の明確な指示の記載はほとんどない。
【改善策】
・輸血部で箱に静注禁の黄色テープを貼付し払い出しする。
・ベリプラストのコネクターの形状変更について業者に申し出る。
・ベリプラスト「静注禁」の表示を病棟内に行う。
・指示は指示簿に明確に記載する。