医療事故情報

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業

事例IDA91968D97C22C5A45
報告年発生曜日曜日区分発生時間帯
2011金曜日平日6:00〜7:59
医療の実施の有無事故の治療の程度事故の程度
実施あり濃厚な治療障害なし
事故の概要発生場面 事故の内容
薬剤末梢静脈点滴過剰投与
発生場所(複数回答可)関連診療科(複数回答可)患者の数直前の患者の状態(複数回答可)
病棟処置室
産婦人科
入院
1人
30歳代 (女性)
意識障害
疾患名HELLP症候群 子癇発作
当事者当事者職種職種経験当事者部署配属期間直前1週間の
当直・夜勤回数
勤務形態直前1週間
の勤務時間
専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格
1人 医師2年11ヶ月0年11ヶ月0回交替勤務なし37
2人 医師13年11ヶ月4年5ヶ月0回交替勤務なし37
3人 助産師6年11ヶ月6年11ヶ月1回2交替32
4人 助産師0年11ヶ月0年11ヶ月1回2交替32
5人 助産師14年11ヶ月14年11ヶ月0回2交替32
6人 助産師0年11ヶ月0年11ヶ月0回2交替32
特に報告を求める事例発見者薬剤・製剤の種類
本事例は選択肢には該当しない同職種者その他 マグネシウム製剤
当事者以外の関連職種(複数回答可)

関連医薬品1
【販売名】 マグセント注100mL
【製造販売業者】 東亜薬工
事故調査委員会設置の有無発生要因(複数回答可)
内部調査委員会設置(予定も含む)確認を怠った
判断を誤った
知識が不足していた
通常とは異なる心理的条件下にあった
ルールの不備
事例概要
【実施した医療行為の目的】
HELLP症候群、子癇発作の34週の妊婦へ、子宮収縮抑制を目的にマグネシウム薬剤を投与した。
【事故の内容】
地域の診療所から34週の妊婦が子癇発作の疑いで搬送された。子宮収縮抑制目的に投与したマグネシウム製剤が、規定の6倍量投与し、呼吸抑制を来たし気管内挿管を実施した。規定の6倍量となった経緯については、マグセント注100mlの効能書の用法及び用量には、「初回量として、40ml(硫酸マグネシウム水和物として4g)を20分かけて静脈内注射した後、毎時10ml(1g)より持続静脈内投与を行う。なお、子宮収縮が抑制されない場合は毎時5ml(0.5g)ずつ増量し、最大投与量は毎時20ml(2g)までとする」と記載されている。 当院到着から3次機能施設へ搬送するまでに60分のため、最初の急速投与20分で40ml、残り40分間で毎時10mlを投与すると、6から7mlの投与となり合計は、40ml+7mlで47ml、約50mlである。当院滞在の60分で、マグセントが3本、300ml投与されているため、約6倍量の投与となった。
【事故の背景要因の概要】
1.マグネシウム製剤は過剰に投与すると呼吸抑制や心停止をきたす危険薬であるが、急速投与時の基準、手順が整備されていなかった。
2.医師のマグネシウム製剤の投与方法の知識不足。
3.助産師のマグネシウム製剤の投与方法の知識不足。
4.医師と助産師のコミュニケーション不足(産婦人科医師は、1本目マグセントは全開でと口頭で指示。その後のマグセントの投与に関して、産婦人科医師は明確に投与の指示も投与速度の指示もだしていない。助産師も、マグセント2本目と3本目は助産師間か、医師と曖昧な確認のまま全て全開で投与した。そのため、1本目から3本目のマグセントは100mlを、約10分から15分で投与することとなった。
【改善策】
マグネシウム製剤を急速に投与する場合の手順を策定した→薬剤科からマグセント注100mlを病棟へ払い出すときに、ボトルに過剰投与時、呼吸抑制や心停止を起こす可能性がある、という旨の注意事項を記したカードを添付した。
マグネシウム製剤(マグセント)を40ml注射器に準備し、シリンジポンプで120ml/H 20分で投与する。
急速投与後、24時間持続投与する場合は輸液ポンプに変更し、10〜20ml/hで投与、最大量は20ml/Hとする。