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医療事故情報
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公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業
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| 報告年 | 発生曜日 | 曜日区分 | 発生時間帯 |
| 2013 | 土曜日 | 休日・祝日 | 14:00〜15:59 |
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| 医療の実施の有無 | 事故の治療の程度 | 事故の程度 |
| 実施あり | 濃厚な治療 | 障害残存の可能性がある(高い) |
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| 事故の概要 | 発生場面 |
事故の内容
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| 治療・処置 | 実施 | その他の治療・処置の実施に関する内容 気管挿管困難 |
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| 発生場所(複数回答可) | 関連診療科(複数回答可) | 患者の数 | 直前の患者の状態(複数回答可) |
救命救急センター
| その他 救命救急センター
| 入院
1人
70歳代
(男性)
| 上肢障害
下肢障害
歩行障害
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| 当事者 | 当事者職種 | 職種経験 | 当事者部署配属期間 | 直前1週間の
当直・夜勤回数 | 勤務形態 | 直前1週間
の勤務時間 | 専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格 |
| 1人
| 医師 | 12年9ヶ月 | 4年4ヶ月 | 1回 | 2交替 | 32 | なし |
| 2人
| 医師 | 22年4ヶ月 | 10年5ヶ月 | 0回 | 2交替 | 24 | 救急専門医(日本救急医学会) |
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| 特に報告を求める事例 | 発見者 | 治療・処置の種類 |
| 本事例は選択肢には該当しない | 当事者本人 | 気管挿管 |
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医療材料・諸物品等1 |
【販売名】 不明
【製造販売業者】 不明
【購入年月】 不明
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| 事故調査委員会設置の有無 | 発生要因(複数回答可) |
| 既設の医療安全に関する委員会等で対応 | 確認を怠った
知識が不足していた
技術・手技が未熟だった
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| 事例概要 |
【実施した医療行為の目的】
頚髄損傷の患者に対して呼吸状態の悪化(酸素化不良、換気困難)認めたため気道確保の目的で気管挿管を実地した。
【事故の内容】
1.患者の状態
滑落事故にて受傷。ドクターヘリ搬送となった。ドクターヘリ搬送中に28回/分の徐脈、収縮期血圧70mmHg台と血圧低下みとめ頚髄損傷疑われた。搬入後のMRI検査にてC3/4の髄内輝度変化を認めた。症状としては四肢麻痺を認め頚髄損傷と診断された。呼吸については酸素投与のみで酸素化良好であったが、翌日の午後に呼吸状態悪化しSpO2が91%まで低下したため、気管挿管の適応と判断された。
2.発見者及び当事者の対応・状況
13時30分から14時ごろにSpO2が91%まで低下。痰を吸引するも酸素化の改善無し。頸髄損傷に伴う呼吸状態の悪化と考え鎮静をし気管挿管の必要性ありと判断。
個室に移動し気管挿管の準備を行った。ベンチレーター、吸引などの準備が整い次第、ドルミカムにて鎮静を行い、気管挿管施行。喉頭蓋は観察できるものの、大きくかつ深い所にあり声帯は観察できなかった。適宜、ジャクソンリースにて換気をしながら行うも換気が不十分であった。挿管時にチューブを噛むことが認められたため筋弛緩薬を使用。その後、挿管をこころみるも、やはり声帯は確認できず。徐々にSpO2が50台まで低下し、徐脈になっていった。14時35分に心停止となるもアドレナリンの投与にて14時36分に心拍は再開した。応援をよび、バッグで換気をしながら当事者2が気管挿管を行い14時45分に気管挿管。その後、SpO2は改善。対光反射4.5mm/4.5mm +/+。至急で全身のCTを撮影行った。CT中にドルミカムを中止するも意識レベルの改善は認めず。帰室した頃より全身のミオクローヌスを認めた。
家族に対しては電話連絡を行い、記録にそって経過を説明した。
3.当事者以外の対応・状況
看護師はSpO2の低下、それに伴う心停止を認めたため蘇生処置(アドレナリン投与など)や記録を行った。
4.医学的処置
低酸素脳症に対して35度の低体温療法を24時間すること、呼吸循環管理を含めた集中治療をしていく方針となった。
【事故の背景要因の概要】
当事者の知識不足、技術不足、準備不足が背景にあると考えられた。頚髄損傷の患者のため呼吸状態は不安定であり、スムーズに気管挿管できないなどの挿管困難が予想された。しかしながら挿管困難例に対する気管支鏡の準備やビデオ付きファイバーなどの準備をしていなかった。一緒に勤務していた(現場にはいなかった)上司に挿管をする旨を報告をしていたが現場に立ち会ってもらうことはしていなかった。
当事者の準備不足、技術の未熟さがひとつ要因にあげられると考えられる。また、応援を呼んだがはじめから処置に立ち会ってもらうなどの応援体制を怠ったことが背景にあると考えられた。
【改善策】
気管挿管などのリスクが伴う処置をする場合は熟練した医師とともに行うこととする。
また救急カートのみならず、挿管困難の場合のデバイスなどを準備しトラブルに対応するようにする。
この件を救命救急センタースタッフを情報共有を行い、今後の診療に対して危険な処置のトラブルについて周知する。
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