医療事故情報

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業

事例IDA75AB9655E6443A69
報告年発生曜日曜日区分発生時間帯
2018日曜日休日・祝日14:00〜15:59
医療の実施の有無事故の治療の程度事故の程度
実施あり治療なし障害なし
事故の概要発生場面 事故の内容
薬剤皮下・筋肉注射投与方法間違い
発生場所(複数回答可)関連診療科(複数回答可)患者の数直前の患者の状態(複数回答可)
ICU
消化器科
その他 救急
入院
1人
40歳代 (男性)
疾患名肺不全
当事者当事者職種職種経験当事者部署配属期間直前1週間の
当直・夜勤回数
勤務形態直前1週間
の勤務時間
専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格
1人 看護師11年1ヶ月1年3ヶ月不明その他 裁量労働制40
2人 看護師0年3ヶ月0年3ヶ月不明その他 裁量労働制40
3人 看護師20年3ヶ月4年3ヶ月不明その他 裁量労働制40
特に報告を求める事例発見者薬剤・製剤の種類
本事例は選択肢には該当しない当事者本人その他 濃厚電解質
当事者以外の関連職種(複数回答可)

関連医薬品1
【販売名】 アスパラギン酸カリウム注10mEqキット「テルモ」
【製造販売業者】 テルモ
事故調査委員会設置の有無発生要因(複数回答可)
既設の医療安全に関する委員会等で対応確認を怠った
判断を誤った
知識が不足していた
技術・手技が未熟だった
その他 慣れないものであった。
事例概要
【実施した医療行為の目的】
血中のカリウム濃度が低いため、KCLを投与した。
【事故の内容】
患者の血中カリウム濃度が低く、濃厚電解質(アスパラギン酸カリウム注)を投与した。計2回投与されたが、いずれもアスパラギン酸カリウム注20mEq/20mlが原液で、シリンジポンプにより速度10ml(10mEq)/時で2時間かけて投与された。速度は添付文書の範囲内であった。アスパラギン酸カリウム注キットは、添付文書に「必ず、専用針を用いて輸液剤に混ぜて使用すること」とあるが、シリンジポンプで投与するために、キットの包装内の「専用針」を用いず、別のシリンジに針を付けてキットからカリウム製剤を移し替えて投与を行っていた。次の勤務の看護師が、先輩看護師とのダブルチェック時に、自分も前勤務の看護師と同様に原液でシリンジポンプを用いて投与すると伝え、先輩看護師が間違いを指摘した。カリウム製剤の投与方法が、EMICUが申請している投与方法・手順ではなく、原液投与された。
【事故の背景要因の概要】
1.カリウム補正の医師の指示:
・濃度だけでなく、具体的な投与量・希釈方法の指示内容を手順に定めておくことが安全だという認識がなかった。
・EMICUのカリウム補正の指示は、いつも希釈方法の指示がないため薬剤部で疑義照会されなかった。
・定量筒を使用すると希釈方法が複雑になり指示が困難になることが考慮されていなかった。
2.手順の周知・遵守・教育:
・EMICUの成人のカリウム投与時の希釈・投与方法がEMICUの医師間に周知されていなかったため、原液・シリンジポンプでの投与が指示された。
・EMICUに成人のカリウム製剤の投与方法(手順)が、看護師全員に周知されていなかった。
・EMICUのカリウム製剤投与の手順と手順遵守の必要性が看護師に周知されていなかった。
・EMICUの手順と、希釈の必要性について、看護師は周知・教育されていなかった。
3.小児へのカリウム製剤の投与方法:
・小児のカリウム製剤投与方法について検討されておらず、小児は原液でシリンジポンプで投与されることが常態化していた(添付文書では希釈して投与することとなっている)。
【改善策】
1.EMICUにおける成人・小児患者のカリウム製剤投与の指示、手順の徹底と申請(将来的に検討):
・医師の指示内容とオーダー方法の標準化。
・薬剤部で希釈・投与方法について確認可能な指示内容とする。
・定量筒使用の方法に関する見直し。
2.薬剤部でのカリウム製剤オーダーの確認(手順通りかどうかの確認):
・疑義照会対象:原液投与指示、濃度・速度指示が手順書・申請以上の場合。
3.医師・看護師へのカリウム製剤投与方法・手順に関する周知・教育。
4.SICU、NICU、EMICU、手術部、血液浄化部におけるカリウム製剤投与の指示、手順の水平展開。