医療事故情報

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業

事例IDA6BAD76874DC49CC1
報告年発生曜日曜日区分発生時間帯
2022日曜日休日・祝日20:00〜21:59
医療の実施の有無事故の治療の程度事故の程度
実施あり治療なし障害なし
事故の概要発生場面 事故の内容
薬剤末梢静脈点滴その他の与薬に関する内容 用時に隔壁を開通して上室液と下室液を混合しなかった
発生場所(複数回答可)関連診療科(複数回答可)患者の数直前の患者の状態(複数回答可)
病室
外科
入院
1人
30歳代 (男性)
疾患名転移性肝腫瘍
当事者当事者職種職種経験当事者部署配属期間直前1週間の
当直・夜勤回数
勤務形態直前1週間
の勤務時間
専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格
1人 看護師10年2ヶ月0年2ヶ月不明2交替20
特に報告を求める事例発見者薬剤・製剤の種類
本事例は選択肢には該当しない同職種者その他 その他のたん白アミノ酸製剤
当事者以外の関連職種(複数回答可)
医師
看護師
薬剤師
関連医薬品1
【販売名】 ビーフリード輸液/500ml1キット
【製造販売業者】 大塚製薬工場
事故調査委員会設置の有無発生要因(複数回答可)
既設の医療安全に関する委員会等で対応確認を怠った
判断を誤った
技術・手技が未熟だった
事例概要
【実施した医療行為の目的】
転移性肝腫瘍術後の患者に医師がビーフリード輸液500ml+アスパラK注10mlをオーダーした。
【事故の内容】
看護師Aは日勤で当該患者を担当していた。看護師Aは医師指示に従い当該輸液の準備を開始したが、ナースコールがあり、その対応のため一旦中断した。看護師Aは他業務を終えて準備を再開し、看護師BとアスパラK注10mlのダブルチェックを行い、ビーフリード輸液500mlにアスパラK注10mlを混注した。その後、看護師Aは準備した輸液を患者のベッドサイドに持参し投与を開始したが、夜勤で当該患者を担当した看護師Cがビーフリードが開通されずに投与が開始されていたことに気が付いた。
【事故の背景要因の概要】
・看護師Aは製剤を準備する際にビーフリード輸液の隔壁を開通して上室液と下室液を混合する前に「開通済み」を知らせるタグを外していた。
・看護師Aはナースコール対応後に製剤準備を再開した際に隔壁開通は終了しており上室液と下室液は混合されていると思い込んだ。
・看護師Aは看護師Bとのダブルチェック後にアスパラK注10mlを隔壁の開通が終了していない下室液に混注し患者への投与を開始したが、製剤を投与する直前もビーフリード輸液の隔壁開通状況を確認しなかった。
【改善策】
・製剤を適切に使用していないことやヒューマンエラーを要因としたインシデントとして医療安全の委員会で共有した。
・ビーフリード輸液の隔壁開通忘れは一定の頻度で発生するインシデントであり薬剤部と看護部が合同で看護師に対する教育の場を設けている。今後もその取り組みは継続するが製剤は貼付文書に準拠して適切に使用することの必要性も周知する。