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医療事故情報
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公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業
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| 報告年 | 発生曜日 | 曜日区分 | 発生時間帯 |
| 2022 | 金曜日 | 平日 | 8:00〜9:59 |
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| 医療の実施の有無 | 事故の治療の程度 | 事故の程度 |
| 実施あり | 濃厚な治療 | 死亡 |
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| 事故の概要 | 発生場面 |
事故の内容
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| 薬剤 | 静脈注射 | その他の与薬に関する内容 アナフィラキシーショック |
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| 発生場所(複数回答可) | 関連診療科(複数回答可) | 患者の数 | 直前の患者の状態(複数回答可) |
救命救急センター
放射線撮影室
| 心臓血管外科
その他 救命救急科
| 外来
1人
50歳代
(女性)
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| 当事者 | 当事者職種 | 職種経験 | 当事者部署配属期間 | 直前1週間の
当直・夜勤回数 | 勤務形態 | 直前1週間
の勤務時間 | 専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格 |
| 1人
| 医師 | 9年7ヶ月 | 7年7ヶ月 | 2回 | その他 当直 | 42 | |
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| 特に報告を求める事例 | 発見者 | 薬剤・製剤の種類 |
| 本事例は選択肢には該当しない | 同職種者 | その他 造影剤 |
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| 当事者以外の関連職種(複数回答可) |
医師
看護師
診療放射線技師
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関連医薬品1 |
【販売名】 イオパミドール370注100mL(75.52%100mL1瓶)
【製造販売業者】 富士製薬
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| 事故調査委員会設置の有無 | 発生要因(複数回答可) |
| 内部調査委員会設置(予定も含む) | 連携ができていなかった
知識が不足していた
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| 事例概要 |
【実施した医療行為の目的】
冠動脈新規病変およびバイパス開存評価目的に冠動脈CT
【事故の内容】
狭心症の診断で冠動脈バイパス術施行され、術後経過良好で自宅退院。定期的に外来受診され経過問題なかったが、数日前から「奥歯が痛い、以前の狭心症状に似ている」と予約外受診された。来院時の心電図検査ではST変化なし、胸部症状も認めなかった。本人と相談して、精査希望された。冠動脈新規病変およびバイパス開存評価目的に冠動脈CTが予定された。
以前、造影剤アレルギー(オムニパークによる皮疹)の既往あり、術前PCI(3回)や造影CT(2回)検査ではイオパミドールに造影剤を変更し、検査が行なわれていた。今回の冠動脈CT撮影に当たり、前処置としてメドロール32mgを検査前日寝る前と検査当日朝に服用し実施する事となった。
当日、メドロール内服について確認し、イオパミドール370を使用し、イオパミドール8mLでテストインジェクションを行なった。造影剤投与の準備をしていると咳嗽あり、検査を中止した。アレルギー症状として全身の掻痒感、呼吸苦などの訴えがあり、酸素マスクで酸素投与し、ポララミン5mg・ファモチジン20mgを投与。マスクを払いのける動作あり、呼びかけに反応なく脈触知できずアドレナリン0.5mg静注。呼名に反応なく、脈拍触知不可にて心停止と判断し、心肺蘇生開始した。救命救急科医師へ応援依頼した。心肺蘇生は、1クール行う前にROSCしたが、血圧不安定であり、アドレナリン0.5mg静注し、救命蘇生室へ移動した。
蘇生室移動後に患者より腰痛の訴えあり鎮痛剤ソセゴン0.5A静注。血圧は橈骨A弱いためノルアドレナリン5A/NS total 50mL希釈し、内1mL flashし100前後と上昇した。ノルアドレナリンの持続投与を開始した。約10分後の再度血圧低下したため、ボスミン0.3mg筋注し、血圧80台と改善したことから精査のためCT撮影を行なった。CT後はBP119/67と保たれていたが、約40分後、血圧40台まで低下し、嘔気と腰部痛の訴えあり、ボスミン0.3mg筋注、NAD増量で、血圧は80台まで上昇した。アナフィラキシーが再燃していることを考慮し、再度ポララミン1A+ファモチジン1A、ソルコーテフ100mgを投与した。血圧は147/108まで上昇。血圧変動、本人の不穏が繰り返されていることから、昇圧剤持続静注が必要なことから、CV留置する方針とした。
血圧75/32と低下したためアドレナリン0.5A静注したが、血圧の改善なく、ボスミンの持続で開始。血圧98/48まで改善。CV留置および動脈ライン留置した。その後再度血圧低値となるためボスミンフラッシュし増量した。アナフィラキシーショックの管理目的で入院とした。
再度「苦しい」と呼吸困難が出現。血圧70前後まで低下し、ショック再燃と判断しボスミンの早送りするも症状変わらないため、気道確保目的に気管内挿管管理とした。
挿管後のX線で位置確認したところ、両側肺水腫の所見あり。人工呼吸器でPEEPをかけた呼吸管理。血圧42/32とPEAに近い状態でありアドレナリンの静注、ボスミン増量を行なったが、血圧40台と反応乏しかった。
モニター上2誘導でもST上昇があり、低循環、心臓にイベントが起きて心原性ショックとなっている可能性も考慮し、PCPS導入。導入初期は、4Lのflowが確保でき、血圧130/121となるもすぐにflowが確保できなくなった。血管内脱水状態を考慮し、輸血、5%アルブミナー投与。VfとなったためDC 150J施行。除細動できたが1分たたないうちに再度Vfとなった。ボスミン持続の影響を考慮しボスミン持続ルート中断、VF改善せずflowも保てない状態となったため、胸骨圧迫再開。VFに対してはアンカロン投与開始。PCPSが回らない原因精査を行い、血管内脱水にたいして、輸液輸血負荷を行った。RCC10単位、FFP8単位投与しながらACLSを行うもAsystoleとなり、ACLSも心拍再開なく蘇生処置を継続しても蘇生は困難と判断した。家族へ説明し死亡確認となった。
【事故の背景要因の概要】
・造影剤アレルギーがあり、前日からステロイドを内服した後に造影検査を行った。
・β遮断薬内服に関する情報が把握されていなかった。
・明確なエビデンスは無いが、グルカゴン投与も検討すべきであった。
【改善策】
・造影剤アレルギーのある方は、本人にriskを十分に説明し、代替検査も説明した上で同意を得る。
・造影剤使用に関する説明同意時に内服薬(β遮断薬内服)について確認する。
・問診票でアレルギー歴に加えて内服薬(β遮断薬服用)の確認をする。
・β遮断薬内服中の患者のアナフィラキシーショック時は、グルカゴン投与についても検討するよう周知する。
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