医療事故情報

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業

事例IDA21B09F3FA59489C9
報告年発生曜日曜日区分発生時間帯
2023金曜日平日10:00〜11:59
医療の実施の有無事故の治療の程度事故の程度
実施あり不明障害なし
事故の概要発生場面 事故の内容
ドレーン・チューブ使用中自己抜去
発生場所(複数回答可)関連診療科(複数回答可)患者の数直前の患者の状態(複数回答可)
その他 利用者宅
内科
外来
1人
70歳代 (女性)
上肢障害
下肢障害
歩行障害
疾患名声門狭窄
リウマチ
当事者当事者職種職種経験当事者部署配属期間直前1週間の
当直・夜勤回数
勤務形態直前1週間
の勤務時間
専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格
1人 看護師10年0ヶ月1年0ヶ月0回交替勤務なし40
特に報告を求める事例発見者ドレーン・チューブの種類
本事例は選択肢には該当しない当事者本人気管カニューレ
当事者以外の関連職種(複数回答可)
看護師
医療材料・諸物品等1
【販売名】 メラソフィット
【製造販売業者】 泉工医科工業株式会社
【購入年月】 不明
事故調査委員会設置の有無発生要因(複数回答可)
既設の医療安全に関する委員会等で対応確認を怠った
判断を誤った
技術・手技が未熟だった
事例概要
【実施した医療行為の目的】
気管カニュ−レバンドの交換
【事故の内容】
声門狭窄により気管切開を行い、気管カニューレの管理で2回/週訪問看護が介入している患者。10:30検温を実施。10:40カニューレバンドの交換を開始。患者は椅子に座り、看護師は患者の右後ろに立ち、後ろから左手を前に回し、カニューレの羽根左側を示指で固定し、右手でカニューレ右側の固定を外し頸部の保清を行った。咳き込む度に両羽根を母指と示指で固定し直した。右手で新しいカニューレバンドを手に取ったが、マジックテープが絡まっていた。左手はカニューレを固定の為、右手だけでほどこうとした。しかし、なかなかほどけず患者が「私がこれ(孫の手)でカニューレを押さえている」と言った為、任せて固定していた左手を離した。患者は既往にリウマチがあり上肢を頸部まで挙げることができず、手の代わりに孫の手を使うことがあった。固定を離している間に咳き込み、カニューレが抜けてしまった。10:45患者と家族に状況説明を行い、家族に救急車を呼ぶように依頼した。患者にはパルスオキシメーターを装着し呼吸状態を確認した。その後救急隊から電話連絡があり状況説明を行い10:55救急搬送となった。
【事故の背景要因の概要】
・事前にマジックテープの絡まりをほどいていなかった。
・看護師がカニューレバンドを交換する際、カニューレを固定していた手を離してしまった。カニューレの固定を指一本で行っており、自己抜去に対しての危機意識が不十分だった。
・患者が上肢を自由に動かせないのにもかかわらず固定を任せて看護師一人で交換した。
【改善策】
・マジックテープの絡まりが無いように事前に伸ばしておく。
・カニューレバンドを交換する際、常に固定の手を離さない。カニューレの羽根の固定は、指は二本で行い両羽根を固定する。
・家族の協力が得られる場合は、羽根にベルトを通してもらうなどの介助を依頼する。