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医療事故情報
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公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業
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| 報告年 | 発生曜日 | 曜日区分 | 発生時間帯 |
| 2013 | 火曜日 | 平日 | 2:00〜3:59 |
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| 医療の実施の有無 | 事故の治療の程度 | 事故の程度 |
| 実施あり | 濃厚な治療 | 障害残存の可能性がある(低い) |
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| 事故の概要 | 発生場面 |
事故の内容
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| 薬剤 | 静脈注射 | 過剰投与 |
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| 発生場所(複数回答可) | 関連診療科(複数回答可) | 患者の数 | 直前の患者の状態(複数回答可) |
NICU
| 小児科
| 入院
1人
0歳代
(男性)
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| 当事者 | 当事者職種 | 職種経験 | 当事者部署配属期間 | 直前1週間の
当直・夜勤回数 | 勤務形態 | 直前1週間
の勤務時間 | 専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格 |
| 1人
| 医師 | 5年11ヶ月 | 1年9ヶ月 | 0回 | その他 裁量労働制 | 40 | 社団法人日本小児科学会小児科専門医 |
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| 特に報告を求める事例 | 発見者 | 薬剤・製剤の種類 |
| 本事例は選択肢には該当しない | 当事者本人 | その他 抗生剤 |
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関連医薬品1 |
【販売名】 点滴静注用バンコマイシン0.5「MEEK」
【製造販売業者】 小林化工株式会社
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| 事故調査委員会設置の有無 | 発生要因(複数回答可) |
| 既設の医療安全に関する委員会等で対応 | 確認を怠った
観察を怠った
報告が遅れた(怠った)
連携ができていなかった
通常とは異なる身体的条件下にあった
通常とは異なる心理的条件下にあった
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| 事例概要 |
【実施した医療行為の目的】
CRPの上昇あり、監視培養からMRCNSが検出されたこともあり、感染を考え治療のため
【事故の内容】
CRPが0.3と上昇し夜間帯にバンコマイシンを処方した。その際にバンコマイシンの指示量は25mg(0.025g)であったが、溶解指示で「1V0.5gを生食10mlで溶解、そのうち5mlを使用」と入力した。看護師はコメント通り溶解し、本来の投与量の10倍量が投与された。4日後に過量投与に気付くまで、1回目:2時250mg、2回目:23時250mg、バンコマイシンの投与開始後3日目にCRPがさらに上昇し、投与量を「30mg」に変更したため、3回目:21時300mg、4回目:17時300mgの計4回投与した。
【事故の背景要因の概要】
○患者について
・眼科を受診した夜に血液検査を行ったところ、それまで陰性だったCRPが0.3mg/dLと陽性になった。また、患者の培養からMRCNS(メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)が検出されたこともあり、バンコマイシンを投与することに決まった。
○システムについて
・院内は、電子カルテ/オーダシステムとして「HAPPY ACTIS(東芝)」を使用し、NICU、ICUや救命救急センターでは、さらに重症患者情報管理システムの「PIMS(フィリップス社)」を使用している。
・薬剤部に処方オーダが届くためにはACTISからオーダを行う必要があり、その際、投与量をgやmgで入力する。ACTISへの入力後、PIMSに情報が送信され指示簿となるため、NICUの業務はPIMSの画面で情報を得ている。
・事例発生当時、PIMSの画面では「用量(gやmg)」は表示されず、換算された「液量(mL)」と用法、コメントに記載した溶解方法が表示されるようになっていた。
・以前は、オーダが入ると自動的に薬剤確認表がプリントアウトされていたが、半年前よりペーパーレスの運用に変更となり、基本的にはPCの画面で情報を得て業務を行っている。
○医師
・医師は、感染の可能性を考え、すぐにバンコマイシンを投与しなければならないと焦っていた。
・医師は、患者のバンコマイシン注0.5g/Vを「25mg(0.025g)」投与の指示の際、本来であればコメントに『バンコマイシン1Vを生食10mLで溶解後、うち1mLを10mLに希釈し、そのうち5mLを使用』と2段階の希釈を記載するところ、『バンコマイシン1Vを生食10mLで溶解し、うち5mLを使用』と記載した。この溶解指示どおりに希釈すると、バンコマイシンの投与量は10倍量の「250mg」となってしまう。
・バンコマイシンの投与開始後3日目にCRPがさらに上昇したため、投与量を「25mg」から「30mg」に変更した際、前回のオーダをコピー&ペーストして投与量(mg)のみを修正したため、コメント内容の間違いに気付かず、「300mg」の溶解指示になった。
・日中であれば、オーダ時に医師同士で内容を確認できていたが、夜間になるとダブルチェックは難しく、1人で確認している。また、ダブルチェックは初回のオーダだけで、その後はダブルチェックを行わずにコピー&ペーストしてオーダしている。
○薬剤師
・医師が指示をオーダ入力した後、薬剤部で調剤を行ったが、深夜の勤務時間だったため、薬剤師一人で調剤〜鑑査〜払い出しを行った。
・薬剤師は、ACTISの画面で指示の用量を確認した。
・日中であれば、薬剤師は指示量と希釈方法などが書かれているコメント内容の確認を行っているが、夜間であったためコメントの内容は確認しないまま、薬剤とラベルをNICUに払い出した。
・NICUには薬剤師は配置されていない。
○看護師
・NICUでバンコマイシンのオーダが出ることは少なく、今回も1年ぶりであった。そのため、バンコマイシンが2段階の希釈が必要であることを知っている看護師と知らない看護師がNIUC内に混在していた。
・NICUでは、オーダはリーダー看護師が受けている。リーダー看護師は、NICU4年以上の経験者であるが、指示を受ける度に、コメントに記載された希釈方法と指示量が正しいかどうか計算して確認することはしていない。
・看護師は調製の際、看護師同士で指示と薬剤をダブルチェックしている。その際、薬剤部から薬剤とともに払い出された注射器に貼るラベルとPIMSの画面で内容を確認することになっていたが、今回は、PIMSの画面のコメントだけを確認した。
・看護師は、PIMSの画面を見て薬剤を調製しており、ACTISの画面ではmg表示されるところPIMSの画面ではmLで表示されるため実際の用量は分からないまま、コメントのみを見て溶解していた。コメントの希釈方法で、ACTISの指示量となるか計算をし直すという確認もしていない。当該事例では、コメントの内容通りに溶解すると「250mg」や「300mg」になることに気付いていなかった。
・4回の投与の間、担当した看護師は2、3年目〜ベテランまで多様であった。
・5回目の投与時に担当になった看護師は、PIMSの画面のコメントで溶解した量と、注射ラベルに記載された指示量の違いに気付き、計算し直したところ投与量の間違いがわかった。この看護師は、小児科病棟での勤務経験があり、NICUに異動後5年目のベテランで、必ず調製の際は計算し確認していた。しかし、看護師間のルールでは、必ず計算する取り決めはなかった。
【改善策】
1.PIMSの画面上もACTISと同じく「用量(gやmg)」で表示されるよう一部薬剤のプログラムを修正した。
2.医師は、オーダ時に前のオーダを使用してコピー&ペーストする際は、内容を再確認する。
3.看護師は調製前に、コメントによる溶解量が指示量と一致するか計算する。(ダブルチェック)
4.指示においてコピー&ペーストする場合は必ず再計算、再チェックを行う。
5.2段階で溶解するなど調製が複雑となる薬剤は、溶解方法を表にすることを検討している。また、なるべく溶解方法を分かりやすくするなど、調製方法を1段階で行えるように変更した。
6.投与量とコメントの整合性がチェックできる機能をシステムで検討してもらう。
7.来年度は、NICUに病棟薬剤師を配置する予定である。
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