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医療事故情報
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公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業
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| 報告年 | 発生曜日 | 曜日区分 | 発生時間帯 |
| 2012 | 日曜日 | 休日・祝日 | 20:00〜21:59 |
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| 医療の実施の有無 | 事故の治療の程度 | 事故の程度 |
| 実施あり | 治療なし | 障害なし |
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| 事故の概要 | 発生場面 |
事故の内容
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| 医療機器等 | 使用中 | その他の医療機器等・医療材料の準備に関する内容 使用済みと疑われる注射器の再使用 |
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| 発生場所(複数回答可) | 関連診療科(複数回答可) | 患者の数 | 直前の患者の状態(複数回答可) |
病室
| 産婦人科
| 入院
1人
30歳代
(女性)
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| 当事者 | 当事者職種 | 職種経験 | 当事者部署配属期間 | 直前1週間の
当直・夜勤回数 | 勤務形態 | 直前1週間
の勤務時間 | 専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格 |
| 1人
| 看護師 | 3年5ヶ月 | 3年5ヶ月 | 1回 | 2交替 | 36 | |
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| 特に報告を求める事例 | 発見者 | 医療機器等の種類 |
| 汚染された薬剤・材料・生体由来材料等の使用による事故 | 同職種者 | その他の医療機器等 インスリン皮下投与用針付注射筒 |
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医療機器等1 |
【販売名】 BDプラスチパック インスリン皮下投与用針付注射筒
【製造販売業者】 日本ベクトン・デッキンソン株式会社
【製造年月】 不明
【購入年月】 不明
【直近の保守・点検年月】 無し
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医療材料・諸物品等1 |
【販売名】 無し
【製造販売業者】 無し
【購入年月】 無し
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| 事故調査委員会設置の有無 | 発生要因(複数回答可) |
| 既設の医療安全に関する委員会等で対応 | 確認を怠った
通常とは異なる身体的条件下にあった
仕組み
ルールの不備
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| 事例概要 |
【実施した医療行為の目的】
不育症の患者に対し、治療目的にてカプロシン自己注射を実施するために教育入院中。自己注射用の注射器を患者へ渡した。
【事故の内容】
(概要)
不育症治療目的で、カプロシン皮下注を自己注射している患者より、看護師Aから渡された注射器に針の曲っているものがあると指摘された。使用済みの注射器を患者に供給し、使用された可能性がある。注射器を新しいものに交換しようと、滅菌医療材料の棚の引き出しを開けたところ、使用済みと見られる注射器が多数入ったビニール袋を発見した。直ちに当該患者を含む使用済み注射器を使用した可能性のある患者に対し、感染症検査(HBs抗原、HCV抗体、梅毒)を実施し、すべて陰性であることが判明した。また当該患者の使用バイアルからの感染症検査も陰性であった。感染の可能性は無いと考えるが、万全の医療安全のため対象患者については引き続き一定期間、検査を含めフォローアップをおこなう。
(現状確認)
1、産科では不育症治療目的で、カプロシン皮下注(20000単位/0.8ml/V)を1回2500単位、1日2回(9時、21時)の自己注射の教育を実施していた。
2、カプロシン皮下注2500単位 = BD(日本ベクトン)ロードーズ皮下投与用針付注射筒(以下 ロードーズ針付注射筒)で10units目盛相当量
3、ロードーズ針付注射筒7本パック未使用品は、内筒後部に白いキャップがされている(使用時にはこれをはずすが、再度付け直すことも可能)。
4、病棟では通常、患者にロードーズ針付注射筒を6〜10本まとめて渡し、患者は自己注射用道具箱に入れておき、無くなったら、看護師が補充する。教育入院なので、自己注射後は、看護師が注射筒を回収する。
(事例経過)
当日
9:00 担当の看護師Aは、患者の自己注射用道具箱のロードーズ針付注射筒が残り1本であることを確認し、注射終了後、10本(3本は新しい袋を破って取り出した)のロードーズ針付注射筒を取り出し(その際、無意識に取り出しており、どこから取り出したのかは思い出せない)、患者の自己注射用道具箱に入れた。
21:00 患者が自己注射用道具箱からロードーズ針付注射筒を使用し、薬液を吸引して自己皮下注射施行
翌日
9:00 看護師Cは患者より、「薬剤を吸引後(ロードーズ針付注射筒の)エア抜きができない」といわれ、確認したところ針先が少し曲がっていたため不良品」と思い、患者の自己注射用道具箱内の未使用(白いキャップのついたもの)のものを取り出し1本使用。他に注射筒自体が歪んでいるものが2本あったため引き上げてSDボックスへ廃棄した。
21:00 同患者よりカプロシン皮下注射の際「針先から薬液が出ない」と訴えあり、看護師Bが確認すると注射器に薬液の吸引ができておらず、再度同じロードーズ針付注射筒で吸ってもらうが薬液が吸引できなかった。その際患者より、「新たに持ってきてもらった針に白いキャップがついてなく針が曲がっているものがある」との申し出があった。患者が持っている自己注射用道具箱内のロードーズ針付注射筒は、7〜8本あり、その内白いキャップがついているものは1〜2本のみであった。道具箱内のロードーズ針付注射筒を回収し、全て交換することとした。
新しいロードーズ針付注射筒を取りに戻った際に、滅菌材料棚のロードーズ針付注射筒の在庫置場に白いキャップのついていない多数のロードーズ針付注射筒が入ったビニール袋が置かれていることを発見した。患者へは、新しい未開封のロードーズ注射筒を渡し、患者が自己皮下注射を施行した。
以上よりビニール袋に入っていた注射器が使用された可能性がある。当直医師へ報告。夜勤師長・管理当直医へ報告し、使用していたカプロシン皮下注のバイアルも回収するよう指示を受け回収した。
(対応経過)
1)患者が使用したものは使用済みのものであったか?
21:00に皮下注射で使用したロードーズ針付注射筒は使用済みのものかどうか不明である(使用済みの可能性がある)。
9:00 患者より、「薬剤を吸引後(ロードーズ)針付注射筒のエア抜きができない」といわれ、確認したところ針先が少し曲がっていたため、患者の皮下注射用道具箱内の未使用(白いキャップのついたもの)のものを取り出し1本使用しているが、患者の道具箱内のものを使用しており、未使用であったことは保証できない。(白いキャップは使用時にはずすが、元に戻すことも可能)
21:00 患者の皮下注射用道具箱内のロードーズ針付注射筒は使われなかったが、患者の元にあったカプロシン皮下注のバイアルから薬液を引いて使用した。(既に汚染されたものをバイアルに刺した可能性があるため、汚染された薬剤を吸引し使用したことは否定できない)
2)使用済みと思われるロードーズ針付注射筒はビニール袋にまとまって46本あった(これはカプロシンが、1日2回投与であることから23日分に相当する)。
3)カプロシン皮下注の自己注射を導入する際、患者には使用済み注射筒はペットボトル等に入れ、来院時に持参するよう説明しているが持参する場所は病棟か外来かは特定していない
4)使用済みの注射筒は、入院時に持参される患者や、外来通院の際、外来に持参されることが多い。しかし外来通院中の患者が病棟に持参する可能性も否定できない。
5)6日前にロードーズ注射筒が入っている滅菌材料棚に別の滅菌物の搬送がされており、当該病棟配送担当者から「該当するビニール袋は無かった」との回答があったため、ビニール袋はそれ以降に置かれた可能性が高い。
6)医療者に事情聴取を行ったが患者から受け取った、あるいは滅菌材料棚に入れたというものはおらず、特定できない。
持ち込み注射器が感染源となりうるか?について診療録を確認し、この段階ではカプロシン自己注射実施患者にHBs抗原陽性患者はいないことは確認された。
【患者対応に関して】
1)医療関係者の針刺し事故と同様の対応とする
2)当該患者に対しては、早急に1、使用済みロードーズ針付注射筒使用の可能性があること、2、感染症の有無確認のための採血検査の実施、3、必要に応じて職員の針刺し事故発生時と同様の対応であるγグロブリン製剤の予防投与ならびにワクチン接種が必要となること、に関して説明し、γグロブリン製剤の予防投与ならびにワクチン接種に関しては患者の希望を確認する。更に継続観察のために1.5ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後のフォローアップ採血(HBs抗原、HCV抗体、梅毒、HIV抗体)をさせていただくことをお願いする。
3)HBV感染の可能性がある場合には、48時間以内のγグロブリン投与とその後の3回のワクチン接種が有効とされる。ただし血液製剤であるγグロブリンの妊婦への投与についてはパルボウイルス等の感染のリスクがあることが能書に記載されている。また針事故でHIV感染が確認されていない状況においては予防薬の投与は不要である。
4)にカプロシン皮下注射実施した患者についての対応が最優先である。その間に入院し、カプロシン自己注射を実施した患者は当該患者を含め3名(現在入院中1名、退院2名)である。
5)当該患者以外の2名の患者に関しては、看護師から未使用の注射筒を渡したことの確認は取れているが、使用済み注射筒が病棟にあった期間に入院しているため当該患者と同様の対応を行う。
【その他】
1)使用済みロードーズ針付注射筒は23日分であるが、より徹底した調査を行うため、4ヶ月前までさかのぼりカプロシン皮下注射使用患者のリストアップを行い、感染症の有無とロードーズ針付注射筒を持ち込んでいないかの確認を行う。感染症採血未実施の患者には、産科病棟医長より連絡し、病院での採血検査を実施させていただきたいことの説明とお願いをする。
2)当該患者より回収したカプロシン皮下注のバイアル、滅菌材料棚で発見された多量のロードーズ針付注射筒ならびに当該患者が使用していたロードーズ針付注射筒に対し、不純物混入、細菌汚染、ウイルス曝露等の有無について製造メーカー(沢井製薬、日本ベクトン)へ調査を依頼する。
(対応の進捗状況)
当該患者に対し、使用済み注射筒を使用した可能性があるため、感染症検査を実施させていただきたい旨の説明を行った。また、説明の中で、γグロブリン製剤投与およびワクチン接種の予防投与の選択肢についても説明した。患者はγグロブリンおよび予防接種については希望されず、感染症検査を実施し、結果は陰性であった。
また、既に退院している患者2名に説明を行い、感染症検査を実施し陰性であった。
4ヶ月前まで遡り、カプロシン皮下注実施患者をリストアップしたところ該当者は23名であった。各々の感染症検査結果を含めリストアップを行い、HIV抗体の陽性者はいなかった。感染症採血未確認の患者へHBs抗原、HCV抗体、梅毒の採血を行い、全員の陰性が確認できた。同時に患者が病棟へ使用済み注射器をビニール袋で持込んでいないかの確認を行ったが、ビニール袋で多量に持参したという患者は確認できておらず、滅菌材料棚に置かれた経緯については特定できていない。
病棟のモニターテレビのビデオ画像を見直し、ビニール袋の持ち込みの患者が映っていないかを確認したが特定はできなかった。
【回収した使用済みと思われるロードーズ針付注射筒の検査について】
当該患者が使用していたロードーズ針付注射筒に対し、不純物混入、細菌汚染、ウイルス曝露等の有無について製造メーカー(沢井製薬、日本ベクトン)へ調査を依頼。
当該患者が使用していたロードーズ針付注射筒に対し、不純物混入、細菌汚染、ウイルス曝露等の有無について製造メーカーより、製品の不具合が原因ではないことからメーカーでの調査ができないとの回答があり、当院より複数の検査会社へ調査を依頼したが、何れも対応ができないとの回答があった。カプロシンバイアルの調査に関して、沢井製薬では検査不能との回答があり、他の検査会社へ調査依頼した。その後、カプロシンバイアル残液内にHBウイルスは検されなかったとの回答が届いた。患者・家族へは事実の説明と謝罪を行い、今後継続して感染症の確認のための採血をさせていただくことでご理解を得た。
【事故の背景要因の概要】
1)使用済みと思われるロードーズ針付注射筒が滅菌材料棚に戻されていた。
2)看護師は、使用済みロードーズ針付注射筒と認識せず、患者の皮下注射用道具箱へ補充した。
3)針刺し事故防止の目的で、ペットボトル等での回収を指導しているが、使用済みロードーズ針付注射筒がビニール袋にまとめて入れられた状態で回収された。
【改善策】
1)今後カプロシン導入患者には、外来・病棟ともにプレフィルドシリンジ製剤である、ヘパリンカルシウム皮下注シリンジ(5000単位/0.2ml)を使用する。
2)ロードーズ針付注射筒は7本で1パックとなっているため、使用済みであることがわかりにくいため単包製品の導入を行う。
3)使用済み注射針は、病棟では受け取らず外来で処理する。やむを得ずあずかる際には患者名や預かった看護師、廃棄責任者サインなど責任の所在を明確にするための対策を行う。また、患者へは、病院ではビニール袋や箱などは受け取らないこと、持ってきた容器ごと廃棄するよう説明する。
4院内に自己注射使用済み注射針回収ブースを設置し、一括して患者自身に廃棄してもらう。【検討中】
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