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医療事故情報
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公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業
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| 報告年 | 発生曜日 | 曜日区分 | 発生時間帯 |
| 2022 | 土曜日 | 休日・祝日 | 14:00〜15:59 |
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| 医療の実施の有無 | 事故の治療の程度 | 事故の程度 |
| 実施あり | 濃厚な治療 | 死亡 |
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| 事故の概要 | 発生場面 |
事故の内容
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| 治療・処置 | 実施 | 方法(手技)の誤り |
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| 発生場所(複数回答可) | 関連診療科(複数回答可) | 患者の数 | 直前の患者の状態(複数回答可) |
病室
| 内科
その他 脳神経内科
| 入院
1人
50歳代
(男性)
| 意識障害
歩行障害
その他特記する心身状態あり 人工呼吸器装着
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| 疾患名 | CO2ナルコーシス
| 気胸
| 胃潰瘍による出血
| 筋強直性ジストロフィー
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| 当事者 | 当事者職種 | 職種経験 | 当事者部署配属期間 | 直前1週間の
当直・夜勤回数 | 勤務形態 | 直前1週間
の勤務時間 | 専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格 |
| 1人
| 医師 | 38年5ヶ月 | 18年0ヶ月 | 1回 | 交替勤務なし | 40 | |
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| 特に報告を求める事例 | 発見者 | 治療・処置の種類 |
| 本事例は選択肢には該当しない | 当事者本人 | 中心静脈ライン |
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医療材料・諸物品等1 |
【販売名】 Argyle CVカテーテルキット シングルルーメンスルーザカニューラタイプ 16G30cm
【製造販売業者】 Cardinal Health
【購入年月】 2022年8月
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| 事故調査委員会設置の有無 | 発生要因(複数回答可) |
| 既設の医療安全に関する委員会等で対応 | 判断を誤った
通常とは異なる心理的条件下にあった
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| 事例概要 |
【実施した医療行為の目的】
輸液・輸血目的で抹消点滴ルート確保困難のため中心静脈カテーテル挿入
【事故の内容】
○月12日 当該患者はCO2ナルコーシス及び細菌感染症で緊急入院した。入院後、非侵襲的陽圧換気(NPPV)を開始した。抗菌薬治療にて細菌感染も含め徐々に軽快に向かっていった。なお、入院時のヘモグロビン値10.4g/dLと軽度の貧血を認めた。
○月15日 タール便があり脳神経内科主治医が外科医師に緊急の上部消化器内視鏡を依頼し胃潰瘍からの出血を確認した。外科医師により、3か所のクリッピングによる止血を行った。主治医の指示で禁食とし、末梢より輸液を行った。またヘモグロビン値6.8g/dLだったので照射赤血球2単位を輸血した。
○月17日 日当直の内科医師Aの指示による検査でヘモグロビン値6.6g/dLと貧血の悪化を認め再度輸血が必要となったが、末梢のルート確保が困難であった。そのため、同日14時頃に内科医師Aは右鎖骨下から中心静脈カテーテルの挿入を行った。実施前、内科医師Aは家族や患者に中心静脈カテーテル挿入に関して説明せず、同意書は取得しなかった。カテーテル挿入のあとの単純X線所見について内科医師Aは『カテーテルの先端が頭部に向いているが問題はない』とカルテ記載したが、右気胸については認識していたものの軽微と判断し、カルテ記載はしなかった。
19時30分 当該カテーテルより輸血を開始した。看護師の観察では開始直後の異常はなかった。
21時4分 輸血が終了し、看護師が観察すると患者のSpO2が35%まで下降し呼名に反応がなく心電図はVT波形だった。直ちに胸骨圧迫とマスク式人工呼吸器を外し、バッグバルブマスクで酸素10L投与しながら用手換気を開始した。同時に昇圧剤を開始した。21時34分 心拍再開し刺激に反応があったため、内科医師Aの指示により胸骨圧迫は中止した。この時HR:122 血圧:147/99 SpO2:69%、瞳孔は散大していた。
22時10分 マスク式人工呼吸器を装着した。胸部単純X線撮影で明らかな右気胸を認めた。
23時頃、内科医師Bがトロッカーカテーテルを留置して胸腔ドレナージを開始した。23時30分 胸腔ドレナージ開始後、SpO2は上昇した。84%に上昇したが、意識レベルは3-300であった。
○月18 日 0時 胸腔ドレナージを実施した医師は酸素化改善と判断した。
6時 昇圧剤とNPPV、酸素投与を継続した。意識レベル2-30まで改善、体動あり、上肢で吸引チューブをつかもうとした。また、呼名に対し「はい」と返事をした。動脈血ガス分析では、pCO2:135 pO2:78でありCO2の著明な貯留を認めた。
10時21分の胸部単純X線所見は、右肺の膨らみを確認するとともに著明な心拡大と肺うっ血を認めた。
11時55分 SpO2が35%、HRが60台に急激に下降した。
13時14分 血圧:83/49 HR:60台、頚動脈は触れたが他の部位では触知できなかった。右内頚静脈の怒張が強く見られた。瞳孔散大、対光反射はなかった。13時55分 心停止にて心肺蘇生を再開した。その後、家族が心肺蘇生の終了を希望され、日当直脳神経内科医師により死亡が確認された。
【事故の背景要因の概要】
1.○月17日の日直での救急外来では、親子でのコロナ患者の対応や救急隊とのトラブルなど非常に多忙な状況であった。
2.救急外来の電話による問い合わせが多数あり、対応に追われた。
3.日直内科医師Aは私生活上の出来事に起因する精神的な負担と慣れない書類作成等で疲弊していた。
4.当該患者の輸血ルート確保が困難と聞き、貧血が高度で進行性であることから直ぐに処置をすることが必要と考え、本人や家族に中心静脈カテーテル挿入に関する説明を行って同意を得ることを怠った。
5.中心静脈カテーテル挿入直後の胸部単純X線撮影で気胸を確認していたが、軽微であり早急な治療は必要とは必要ないと判断した。
6.○月15日の内視鏡下の止血処置により、出血は止まったと判断したが、実際には貧血が進行していた。
【改善策】
1.容態の悪い患者の中心静脈カテーテル挿入はなるべく安全なルートを選びはエコーガイド下で行い十分な安全対策をとる。
2.緊急の処置が必要であっても、可能な限り患者や家族に処置に対する説明を行い、同意書を取得する。
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