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医療事故情報
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公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業
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報告年 | 発生曜日 | 曜日区分 | 発生時間帯 |
2017 | 金曜日 | 平日 | 14:00〜15:59 |
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医療の実施の有無 | 事故の治療の程度 | 事故の程度 |
実施あり | 濃厚な治療 | 障害残存の可能性がある(低い) |
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事故の概要 | 発生場面 |
事故の内容
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治療・処置 | その他の治療・処置に関する場面 カテーテルの心内固定 | その他の治療・処置の実施に関する内容 カテーテルの心内固定 |
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発生場所(複数回答可) | 関連診療科(複数回答可) | 患者の数 | 直前の患者の状態(複数回答可) |
手術室
| 心臓血管外科
| 入院
1人
60歳代
(男性)
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当事者 | 当事者職種 | 職種経験 | 当事者部署配属期間 | 直前1週間の
当直・夜勤回数 | 勤務形態 | 直前1週間
の勤務時間 | 専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格 |
1人
| 医師 | 18年0ヶ月 | 5年6ヶ月 | 1回 | 交替勤務なし | 75 | |
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特に報告を求める事例 | 発見者 | 治療・処置の種類 |
本事例は選択肢には該当しない | 同職種者 | 開心 |
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当事者以外の関連職種(複数回答可) |
医師
看護師
臨床工学技士
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医療材料・諸物品等1 |
【販売名】 未記入
【製造販売業者】 未記入
【購入年月】 未記入
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事故調査委員会設置の有無 | 発生要因(複数回答可) |
その他 未記入 | 確認を怠った
技術・手技が未熟だった
教育・訓練
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事例概要 |
【実施した医療行為の目的】
感染性心内膜炎による僧帽弁閉鎖不全症に対する加療
【事故の内容】
僧帽弁置換術の術前に、術中・術後の循環動態のモニタリング用にスワンガンツカテーテルを挿入した。術中左房切開線を閉鎖する際に、右房内のスワンガンツカテーテルを縫い込んでおり、手術翌日スワンガンツカテーテルを抜去する際に抵抗があったため気づいた。すぐに家族へX−P写真を供覧してスワンガンツカテーテルが、恐らく縫い付けられ抜去困難となったことを説明した。また、家族へ安全に抜去するためには全身麻酔下で再開胸して抜去する必要がある、と説明した。家族も安全に抜去するためには仕方がないと理解され承諾して頂いた。その際、それ以上の詳細な説明を求めたり、非難する様な言葉はなかった。右房切開すると、右房頭側で左房を縫合した糸がスワンガンツカテーテルを貫通して固定されていた。これを抜去したがスワンガンツカテーテルの断裂や破損はなかった。
【事故の背景要因の概要】
通常、開心術の際にスワンガンツカテーテルが挿入されるが、右房内にスワンガンツカテーテルが留置された状態で手術が進められるため、常にカテーテルを縫い込み、固定される危険性がある。そのため、手術中に手術担当麻酔科医師にスワンガンツカテーテルの可動性があるか確認する必要があったが、術中に麻酔科医師にスワンガンツカテーテルを牽引して可動性を確認することをしなかった。
【改善策】
通常、手術中には肉眼による縫い込みの確認ができないことが多い。心臓を縫合後、体外循環から weaning の際に、麻酔科医師にスワンガンツを牽引してもらい、術者が触診で確認する。
【委員会での協議内容】
部署の改善策は、約1年前に同様のアクシデント事例後に改善策としたものであるが、時間の経過とともに形骸化していた。麻酔科、手術部看護師と連携し改善策の実施継続を徹底する。
他院の類似事例の発生と対応について聞き取り、A病院では数年前に1度、同様事例が発生し、対応は当院と同様にカテーテルを一緒に縫わないように確認するようにしていた。術前に合併症として説明する必要があるかについては当該科に一任するが、今後は改善策を確実に実施すること。
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