医療事故情報

公益財団法人日本医療機能評価機構
医療事故情報収集等事業

事例IDAC54EF98B1189CA09
報告年発生曜日曜日区分発生時間帯
2012水曜日平日16:00〜17:59
医療の実施の有無事故の治療の程度事故の程度
実施あり濃厚な治療障害残存の可能性がある(低い)
事故の概要発生場面 事故の内容
薬剤中心静脈注射薬剤間違い
発生場所(複数回答可)関連診療科(複数回答可)患者の数直前の患者の状態(複数回答可)
手術室
心臓血管外科
入院
1人
60歳代 (男性)
麻酔中・麻酔前後
疾患名狭心症、僧帽弁閉鎖不全症
当事者当事者職種職種経験当事者部署配属期間直前1週間の
当直・夜勤回数
勤務形態直前1週間
の勤務時間
専門医・認定医及びその他の
医療従事者の専門・認定資格
1人 医師4年0ヶ月2年0ヶ月0回交替勤務なし40
特に報告を求める事例発見者薬剤・製剤の種類
本事例は選択肢には該当しない同職種者その他 中和剤
当事者以外の関連職種(複数回答可)
医師
関連医薬品1
【販売名】 該当なし
【製造販売業者】 該当なし
事故調査委員会設置の有無発生要因(複数回答可)
内部調査委員会設置(予定も含む)確認を怠った
連携ができていなかった
事例概要
【実施した医療行為の目的】
手術のため
【事故の内容】
人工心肺を使用する心臓外科手術において、執刀医からのドブタミン投与との指示をプロタミンと聞き間違え、人工心肺から離脱する前に麻酔科医によりプロタミンが投与された。
半分量を投与した時点で麻酔科医師が投与したことを報告したため、誤りが発覚。執刀医の判断により、直ちに人工心肺を離脱し、予定通り手術を終了しICUへ入室した。術後の覚醒遅延あり手術翌日、頭部CTで出血性脳梗塞が認められた。
【事故の背景要因の概要】
もともとこの症例では指導医と当事者と後期研修医の三人で麻酔を担当していたが、人工心肺離脱の時点で指導医は別室で行われた手術のシミュレーションのため不在だった。当事者は指導医から休憩を与えられていたが、人工心肺から離脱することを知った後期研修医に急遽呼び戻されて慌てていた。
【改善策】
・人工心肺の離脱時には麻酔科上席医が必ず在席することを原則とし、執刀医および臨床工学技士等、手術チームメンバーも、麻酔科上席医の存在を確認した上で離脱を行うこととした。
・執刀医、麻酔科医、他手術チームメンバーは薬剤投与などの指示を受けた場合は、必ず復唱し確認しあうことを徹底する。
・ヘプコン(血中ヘパリンに対する拮抗プロタミン量測定器)の導入を検討する(麻酔科医業務の負担軽減とヒューマンエラー防止のため)